2012年5月2日水曜日

デニムくん細腕繁盛記・『現実と理想との狭間で』


デニムくん細腕繁盛記・『現実と理想との狭間で』

●レオナールの仲裁●

ヴァイスと一騎打ちをしていたんだけど、ヴァイスの意外な弱さに戸惑っている間に誰かが割って入ってきた。

(ばたんっ)←騎士、扉を開けて中に入ってくる

「そこまでだ、二人とも。」 (レオナール) 

れ・・・レオナールさん!

「な・・・何故止めるッ!こいつを殺せといったのは、あんたらじゃねぇか!」 (ヴァイス) 

「頭を冷やせヴァイス!お前達が争っていられる状況ではない。よく私の話を聞け!デニム、君も聞くんだ。」 (レオナール) 

・・・僕に、今更何を聞けというんですか?

「ふむ、君はもう少し冷静な奴だと思っていたがね。だが、哲学を語っている暇はないッ!」 (レオナール) 

「・・・」 (ヴァイス、デニム) 

「古都ライムが陥落した。バクラム軍がここへ押し寄せてくるぞッ!」 (レオナール) 

何だと!?」 (ヴァイス) 

ライムが・・・ランスロットさん、ランスロットさん達はどうなったんだ!?

「知らん。ともかく、これ以上、同胞同士で争っている場合ではない。デニム、公爵に・・・いや、我々に従え!今までのことはきれいさっぱり忘れよう。我々が戦う場所はここではない。戦う相手も違う!」 (レオナール) 

ちょっと待てレオナール!何を馬鹿なことを言い出すんだ、こいつは・・・」 (ヴァイス) 

「いい加減にしないかヴァイス。聞き分けろ。」 (レオナール) 

「くっ・・・」 (ヴァイス) 

バクラム軍が動き出したのか・・・。ランスロットさん達は、無事なんだろうか・・・。
しかし・・・もう一度公爵の力になれ、だって?そんなの・・・できるわけが・・・。

「君の理想はわかっている。だが、もう君も嫌というほど現実を見てきただろう?人は自らの幸せの為に、一切れのパンの為に人を殺す。明日の平和の為に人を殺していく。どんな理想を持っていても、所詮人を殺していく戦争屋なのだ。そう思ったことは、一度もなかったかね?」

・・・僕は、理想を盾に、人を殺してきたのか・・・?僕達が殺してきた敵の血も、バルマムッサの住人の血も、違いは・・・。

「・・・。崇高な理想も、実現できなければただの夢だ。夢オチなんて読者が赦しはしないぞ?

何の話ですかレオナールさん。


1924年に家の価格は何だったの

「もとい。夢を語って人が幸せになるならそれもいい。だが、君はそれが叶わぬとわかっている筈だ。さぁ、我々と一歩一歩、着実に理想を実現していこう!私の手を取れデニム!

ぼ、僕は・・・

●異心●

僕は・・・

「確かに、こんなところで争っている場合じゃない・・・。」 (デニム) 

な・・・!」 (ヴァイス) 

「それでこそウォルスタの若き英雄だ。よく言ってくれた。」 (レオナール) 

「・・・しょ、正気か貴様ら・・・?ふ、ふざけんなデニムッ!今更手を組もうなんて、どうかしてるぞ貴様!」 (ヴァイス) 

ヴァイス・・・今はそんな感情的になってる場合じゃないだろう。

「やかましい!お前は今この瞬間、また裏切り者になったんだ!馬鹿な野郎だぜ!俺はお前とは一緒に戦えん!あばよ!」 (ヴァイス) 

(駆け去るヴァイス)

「ヴァイス・・・!」

「・・・仕方のない。さあ、公爵をお迎えに行くぞ。君の部隊にもちゃんと話さねばならんしな。」 (レオナール) 

(ばたーんっ!)←背後で扉が開く音

私を放っていく気じゃないでしょうね!?」 (カチュア) 

(まだ簀巻きの状態のカチュア)

「・・・いたのか。またなんて格好だね。」 (レオナール) 

「姉さんだからね。」 (デニム) 

「なるほど。」 (レオナール) 

なーんで納得するのかしらーッ!」 (カチュア) 

冗談だよ姉さん。姉さんこそどうやって扉を開けたんだか・・・。

●事情説明●

僕達は公爵をお迎えした。

「よく戻ってきてくれたデニム。・・・ヴァイスは、駄目か。」 (公爵) 

「は・・・しかし、放置しておくわけにも参りません。」 (レオナール) 

「仕方あるまい。」 (公爵) 

「・・・ヴァイスは、僕が連れ戻ります。」 (デニム) 

「ほう、それが出来ればこの上ない。ヴァイスも君に負けぬほどの英雄の素質を持っているのだがな・・・。それを邪魔しているのが、君への嫉妬とは・・・。困った奴だ。」 (公爵) 

公爵・・・やっぱりヴァイスのことを利用していただけなのか・・・?

・・・

公爵をお迎えした後、僕はレオナール一緒に、部隊のみんなに事情を説明に行った。

「レオナール・・・」 (アロセール) 


パトリック·ヘンリーはとても重要なことは何をした

「・・・アロセール。デニムに殺されたと聞いていたが、無事だったのか。」 (レオナール) 

「・・・バルマムッサには、怪我をした兄さんもいたの。知ってた?」 (アロセール) 

「そうか。だが、たとえ君が居たとしても、私の意志は翻りはしなかっただろう。これは戦争だ、アロセール。君なら、わかってくれると思っているが。」 (レオナール) 

「・・・わかるけど、わかるわけにはいかないわ。実際にあなたが手を下したわけでなくても、あなたは指揮官だった。あなたが兄を、住人を皆殺しにしたのも同じよ・・・。」 (アロセール) 

アロセール・・・。

「デニム、残念だけどここでお別れするわ。あなたと一緒には、戦えない。少なくとも、今すぐには。 ・・・レオナール、もう二度と会うことがなければいいわ。会えば、あなたを殺さなくてはいけないかも。」 (アロセール) 

「残念だ。だが、引き止めはすまい。さらばだ。 ・・・君と一緒だった日々は、私にとってかけがえのない想い出だよ。」 (レオナール) 

「・・・・・・もう、過ぎたことよ。」 (アロセール) 

(アロセール、背を向けていずこともなく去っていく)

アロセール・・・。

「デニム?どういうつもりなの?

し、システィーナ・・・。

「結局、あなたも自分が可愛くて現実と妥協したわけね・・・。」 (システィーナ) 

「結果的には妥協したことになるけど、僕達の理想は同じままだよ、システィーナ。」 (デニム) 

(システィーナを真っ直ぐ見返すデニム)

「そ、そうかしら・・・ふぉ、フォルカスも何とか言ってよ少しくらい!」 (システィーナ) 

「ん?俺かい?俺は・・・アロセールも居なくなっちゃったし、後は君くらいだしなぁ・・・。」 (フォルカス) 

「・・・なによそれ。『あんなに激しい夜を過ごした仲』ってのはどうなったのよ!」 (システィーナ) 

「それを持ち出すのかい?じゃあ、その仲は認めてくれるんだね?」 (フォルカス) 

認めない。」 (システィーナ) 

「いーや認めたね。そうなんだねシスティーナ!嬉しいよやっとわかってくれたんだね!」 (フォルカス) 

(がばっ)←システィーナを姫様抱っこするフォルカス

「うわーっちょっとー!?なにすんのよフォルカスーッ!?」 (システィーナ) 

「さあ、そうとわかれば早速その仲を深めに行こう!」 (フォルカス) 


レート勝利名が追体験すべきですか?

「きゃーっ!?何をどうするつもりなのよアンタはッ!?」 (システィーナ) 

「そんなこと・・・口では言えないッ♪」 (フォルカス) 

(フォルカス、システィーナを抱いたままいずこともなくダッシュ)

「いーやーッ!デニム助けてーッ!?」 (システィーナ) 

・・・あれは、ひょっとして楽しんでるんじゃないですか?

「そうとも言う。いやいや、若いというのはええのう。」

はぁ・・・。バイアンさんは、僕をどう思うんですか?

「・・・お前は歳に不釣り合いな選択を強いられてきておる。悩み迷走するのは、若者の特権だ。お前の選んだ道が間違いであるか正しいか、わしにもわからんが、これを期に己の考えをしっかり一つにまとめるのがよかろう。」

・・・遠回しに非難してませんか?

「それがわかるなら、考えるのだデニム。ここから、理想をかなえる為の最善の道をな。それを忘れなければ、わしはお前と共に戦おう。」

ありがとうございます。・・・最善の道、か。どこかで聞いたような気がする。

「・・・俺には聞かないのか?」

あっ、カノープスさん。いや、だって・・・一緒に居てくれるんでしょ?

(カノープスを真っ直ぐ見つめるデニム)

「や、やめろよその目・・・ケッ!しゃあねぇなぁ。居てやるよ!」

わあい、嬉しいな♪ありがとうカノープスさん。

「・・・あのな、デニム。お前のその技能は、かなり卑怯だ。

技能・・・?何のことですか?

「・・・いや、別に。」

どうしたんだろう??

ともかく僕達は、公爵と和解し再びウォルスタ軍に復帰した。後はバクラム軍との戦いが控えているけど、まだガルガスタン陣営も完全に掌握しきれてはいない。
僕達がガルガスタン軍を掌握すれば、バクラム軍も打ち倒せる。そうすれば、きっと・・・。

●幕引き●

【古都ライム】
騒乱の爪痕もまだ生々しく残って居るライム。兵士のみならず、住民も巻き込まれ、多くの人々が殺された。
そんな惨状の中を、嬉々として往来する一人の男が居た。
男は死体を選別し、これはと思った死体を不気味な兵士達にどこへともなく担ぎ出させていった。それは、戦士の霊を弔うべく、墓地に運ぶというものでは到底なかった。男の顔には沈痛さはなく、むしろ口元には笑みが浮かんでいる。

そんな男が、とある騎士の死体を目にした。ヴァレリアでは見かけない形の、白い鎧を身に付けていた。男は満足そうに大きく肯き、その騎士の死体を運び出させた。
その時。

「・・・・・・う・・・で、でに・・・む・・・・・?」 (騎士) 


「・・・おやおや、まだ息があったのですか。折角の素材なンですがねぇ・・・。」 (男) 

(男、兵士達に騎士をおろさせる)

「すみませんねぇ。あなたほどの素体は、なかなか手に入らないンですよ。・・・ナイトメア。」 (男) 

「が・・・ッ!」 (騎士) 

(騎士、闇の帳に包まれ、そのまま動かなくなる)

「彼のことが心配なンですね?心配なさらずとも、生き返らせて差し上げますよ。実験に成功すれば、ですがね。くっくっく。」 (男) 

そういって、男は騎士の死体を運び出させた。男はそれを最後に、ライムから姿を消した・・・。
以上、ライム上空1,000メートルからUMAがお届けしました。

・・・。今、ウォーレンさんの気配が・・・。
無事だろうか、ランスロットさん達・・・。

【某所】

「長いな。」

「ああ。」

「またエヴァネタかいコラ。」

「別に好きじゃないんだけどな。台詞ネタには困らん。」

「そういう話だったのか?」

 

「ところで・・・やはり焼き直しにしか見えんのだがね?」

「多少はアレンジしておるつもりの様だが、所詮同じ物ではないか。」

「やはり君には荷が勝ちすぎたということか。無様なものだな。」

分量も多くなっておるし、どうするつもりかね?」

 

「その為の・・・」

 

同じネタで逃げるつもりか貴様ーッ!

「誰が逃げるといったか!」

「そもそもこの会議って一体全体何の必然性があるんだ!?」

知ったことかーッ!

(どがしゃんッ)

以上、謎の聴聞会特設傍聴席からお届けしました。

・・・駄目だ。意識が遠のく・・・誰か何とかしてくれこの人達。・・・誰なんだ全く。



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