ロサンゼルス市水道電力局
CD-DATA (全米最大規模の地籍・地番・不動産情報サービス会社)
Los Angeles International Airport (ロサンゼルス国際空港)
City of Tacoma, Washington (ワシントン州タコマ市)
San Francisco Department of Public Works Bureau of Engineering (サンフランシスコ公共事業局土木課)
ジェイアール東日本コンサルタンツ株式会社
Massachusetts Port Authority (マサチューセッツ州港湾局)
Bayan Telecommunications
Thames Water
Georgia Power
KARICO
ロサンゼルス市水道電力局
オートデスクのソフトウェアによって、米国最大の都市公共施設の GIS システムが強力なオブジェクト指向データベースへと進化し、プロジェクト完了のスピードと正確さを増しています。
G8は何ですか?
「とてもシンプルに、同じ時間の中でこなす作業を増やすことができています。次の作業に専念できるようになったので、システムの次のステップについて先を見据えて計画を立てることができるようになりました。」
—Greg Ammon 氏(ロサンゼルス市水道電力局、水道 GIS システム マネージャ)
プロジェクトの概要
ロサンゼルス市水道電力局 (LADWP) は、100 年以上前に設立された米国最大の都市公共施設です。現在、LADWP ではロサンゼルス市内の 400 万を超える市民や企業に、信頼性のある安全な水と電力を供給しています。同局では 716,000 の水道顧客にサービスを提供しており、電力部門とともに、事業運営に十分な収益を上げています。
しかし、1980 年代までは、システムの経年数と規模が原因で、水道サービスの職員や他の公共機関(消防、警察、ガス サービスなど)の職員に大きなデメリットをもたらしていました。これらの公共機関では、重要な設備の場所を正確に特定するために大量の紙のマップを取り扱わなければなりませんでした。
水道 GIS 部門の責任者を務める Kien Hoang 氏と彼のチームは、水道部門と電力部門全体で使われていた Oracle Spatial エンタープライズ GIS ストレージ プラットフォームに適応し、相互運用ができる、より優れたソリューションを必要としていました。その答えとなったオートデスクのソフトウェア ソリューション スイートは、ロサンゼルス市の重要な水道設備にデジタル時代をもたらしています。
オートデスクの地理空間ソフトウェアを利用することで、LADWP では次のことを実現しています。
急な滝、メイン
- より少ない従業員で、より迅速に作業を完了する
- データ エラーを減らす
- 職員のトレーニングに要する時間と経費を減らす
- 従業員どうしで最新の GIS データを共有する
- 都市データの受け渡しをネイティブ形式で行う
課題
Hoang 氏は、「1980 年代半ば以降、われわれは施設のデータを手作業で維持管理するという課題に直面していました。すべてを手作業で行っていたのです」と説明してくれました。その結果、市の人口密度が増すにつれて職員やトレーニングのための予算が圧迫されるようになりました。従業員は何日もかけて、設計図を手作業で更新し、求めに応じてマップを配布していました。
また、Hoang 氏の説明によれば、マップは紙なので「他の部門でコピーを取った場合、マップが更新されるたびにそのコピーが古くなってしまいます。組織全体で不正確なマップのコピーがいくつもできてしまいました。」そのため、時として、消防隊員が消火栓の正確な場所を知らないまま活動したり、ガス部門の作業員が地中の水道管の正確な場所を知らずに作業することがありました。 水道システムを完全に把握するため、LADWP では、道路、センターライン、地役権などを含む、都市全体の土地の基本データを統合したマップを必要としていました。他の都市のシステムとの互換性と、リアルタイムの共有の、両方に対応した大規模な GIS データベースを管理するソリューションが必要でした。 LADWP では、きわめて詳細な紙のマップを 100 年にわたって維持管理していました。これらのマップには、3,800 万フィートを超える配管、71 万6,000 箇所の水道接続点、20 万超の仕切弁が記載されていたほか、過去の漏水箇所や法定表示など、50 万のデータが追加されていました。こうした貴重なデータを保存しつつ、デジタルに維持してデータ消失のおそれを減らすための手段を必要としていました。 ナイアガラフォールズの電話帳 |
ソリューション
1994 年のノースリッジ地震を契機に、Hoang 氏の部門では GIS ソリューションの候補について評価を開始し、エンジニアリングマップ作成のニーズだけでなく、その他の重要なユーザ部門のニーズについても検討しました。
LADWP では、地形や水道システム設備の複雑さの観点から、都市全体のサンプルとなる 4 マイル四方の試験地域を選びました。この試験は成功しましたが、古い AutoCAD ベースのツールが使われていました。しかし、Hoang 氏のチームはその成果に自信を持ちました。「GIS データを AutoCAD 環境で構築することが、エンジニアリング レベルの正確なマップ作成を成功させるのに重要だとわかりました。」
Hoang 氏はさらに、「われわれがオートデスクの導入を決めた理由の 1 つは、職員のトレーニングに必要な時間と予算が少なく済むことがわかっていたからです」と述べています。「技術者や GIS の専門担当者は既に AutoCAD の環境に慣れていました。」チームは、AutoCAD の地理空間に対応したバージョン、AutoCAD Map 3D に注目しました。これにより、他の部門やアプリケーションの GIS データが扱いやすくなりました。また、チームでは手順やワークフローをカスタマイズし、GIS システムを強力なオブジェクト指向データベースとして開発しました。現在では、複数のシステムやデータセットを減らし、すべてのデータを 1 箇所でコントロールしています。 LADWPでは Autodesk MapGuide を利用して、場所に関する具体的な情報を必要としている部門のために GIS データを Web 上に公開しています。たとえば、現場の職員は LADWP のイントラネットにログオンして、消火栓やマンホールの正確な場所を検索できるようになりました。また、チームでは AutoCAD Raster Design を利用して詳細な紙のマップを管理しています。水道 GIS システム責任者の Greg Ammon 氏は、「古い紙のマップのデジタル版を作成する作業を進める一方で、Raster Design を利用して、スキャンしたマップをデジタルに編集し維持しています」と述べています。「このソフトウェアのおかげで、既存のマップのメンテナンスがしやすくなり、ラスター資産を簡単に検索し利用できるようになりました。」 完成したシステムによって、GIS データの作成と保守を行うツールと、企業の GIS データの格納場所が提供され、LADWP の GIS 部門に属する市内の他の顧客のためにオンラインで公開されています。「都市データの受け渡しを ESRI ネイティブ形式で行っているので、変換の必要がありません」と Hoang 氏は述べています。「以前は、データ変換後にエラーや情報の消失がよく起きていました。新しいテクノロジーによってそうしたリスクはなくなりました。」 |
成果
「新しいシステムのおかげでマップのメンテナンスに要する時間が大幅に短縮されました。生産性が向上しただけでなく、サービスを高めながら水道システムのサポートにより多くの時間を割くことができるようになりました。数多くの作業が自動化されたので、プロジェクト完了のスピードと正確さが増しています」と Ammon 氏は語っています。「とてもシンプルに、同じ時間の中でこなす作業を増やすことができています。次の作業に専念できるようになったので、システムの次のステップについて先を見据えて計画を立てることができるようになりました。」
新しい GIS システムによって、水道局全体で生産性と効率が高まり、メンテナンスやトレーニングに必要な時間と経費が節約されたことが、チームで実証されています。
Hoang 氏によれば、LADWP が開発したソリューションで「2 つの大きなメリット」がもたらされています。「まず、このソリューションを選択した理由は、職員が既に AutoCAD の取り扱いに慣れていたからです。トレーニング時間が短縮され、習得に必要な労力が少なく済みました。また、われわれが扱っているマップは複雑なので、こうしたツールを利用することで作業の精度を大幅に高めつつ、これらの独自のマップを適切なレイヤーに分離して維持できるようになりました。」
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