同政権は、財源の大幅アップはアメリカの核弾頭を引き続き安定したものとし、「核兵器敞」縮小や地下核実験停止から18年間も経過するための経年劣化、またここ20年間大規模な核兵器生産を行っていないための陳腐化などにもかかわらずその設計上の性能を確保するために必要だと主張した。(註1)
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また財源増額は、核兵器関連施設の近代化にも必要とされる。ある施設は第二次世界大戦中のものが残存している。またアメリカの(核兵器)貯蔵能力の維持、専門家の維持でも必要だとされる。この件に関し、ジョー・バイデン副大統領は、金曜日(10年1月29日)付けのウォール・ストリート・ジャーナル紙の意見欄に寄稿し、次のように述べている。「こうした措置は、世界中にある(攻撃に対して)脆弱な核分裂物質の安全保障を実施しようという大統領の目標に合致するだろう。・・・またそれらを追跡し、密輸を妨害することを可能とし、核兵器の削減を検証することもできる。」< br/>(バイデンの寄稿記事は次のサイトで読める。<
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同政権は2011年度要求予算として、600万ドル(5億4000万円)増額した予算を月曜日(10年2月1日)に、議会に送付することにしている。この計画の予算は10%アップとなり、年間支出はほぼ70億ドル(6300億円)に達することになろう。(70億ドルが具体的にどんな項目を含んでいるのかはこの記事からは不明。)
この支出計画の是非をめぐって早くも議論の火花が散っている。ある通常はオバマ政権を支持している軍備管理主唱者は、この予算増額は不必要な新施設の建設を可能とするものであり、(オバマ政権後の)将来政権� �新しい核弾頭を設計建設する道を開くものだ、これはバラク・オバマ大統領が断じてやめるといった言葉に反するものだと、反論している。たとえば、「憂慮する科学者連合」(the Union of Concerned Scientist。サイトは次<ttp://www.ucsusa.org/>)のスティーブン・ヤングは次のように云う。
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「 | 基本的には、新しい施設というものは、もしその気になれば、新しい核弾頭の生産を増加させるものだ。オバマ政権はそうしないだろうが、しかし次の政権はそうし得る。全体的な核不拡散のゴールからみると、リスクがある。」(註2) |
保守派は、ロシアとの新しい平和協定が、実戦配備核弾頭1675発以下になるだろう状況を踏まえて、アメリカの安全保障は、核実験凍結の解除と新しい近代的な核弾頭を設計し配備することにかかっている、と反論する。たとえば、ブッシュ政権の核兵器管理の最高責任者で、アメリカ国連大使だったジョン・ボルトン(註3)は、次のようにいう。「核実験に代替するものがありうるなどというのは冗談だろう。」
共和党上院議員40名全員とコネチカット州選出の独立系上院議員ジョセフ・リーバーマン(註4)(Joseph Lieberman)らは先月(09年12月)オバマ大統領に書簡を送り、もし「近代的」核弾頭に財源をつけないならば、またニューメキシコ州ロス・アラモス国立研究所、テネシー州オークリッジのサイトY−12工場(註5)の新設備に新たな財源をつけないならば、彼らはロシアとの新しい(核兵器削減)協定の議会における批准に賛成しない、と述べた。アリゾナ州選出の共和党上院議員ジョン・カイルを筆頭とするこの上院議員連名の手紙に中では「われわれは、アメリカの核抑止を"近代化"する有意味な計画が存在しない限りは、これ以上の核削減は、アメリカの国家安全保障にとって利益にならないものと信ずる。」と述べている。
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専門家の中には、オバマ政権は明白に新たな核兵器に対する支出を増大させようという計画が、ロシアとの新核削減交渉や包括的核兵器禁止条約(CTBT)の議会批准で、共和党を民主党側に取り込むべく説得するのに十分だと期待している(註6)、と指摘するものもいる。
しかしながら、大幅な核兵器へ向けた予算増額計画は、アメリカの核兵器保有の削減を誓ったオバマ政権の政策と矛盾するとイランや北朝鮮は主張しうる。また、イランや北朝鮮の核開発計画を停止させるためのアメリカ主導の取り組み、「核兵器のない世界」キャンペーンとも矛盾すると主張し得る。(註7)
ま� �その他の諸国も、核兵器に対して大幅な予算増額をするオバマは、09年ノーベル平和賞を受賞した理由から見ると大きな後退をした、と見るかも知れない。
プローシェアーズ基金(註8)のジェセフ・シリンシオン(Joseph Cirincione。音表記については全く自信がない。)は次のように云う。
「 | アメリカの核兵器を安全で安定して有効に維持するよと、みんなに確約するための十分な予算を確保することは、(オバマ)大統領は綱渡りしなければならない、ということだ。しかし、私には新しい核兵器を作ろうという風には余り見えない。」 |
オバマはチェコ共和国の首都プラハでの「4月5日演説」で、「核兵器のない世界へ向けて確かな一歩を踏み出します。」と大見得をきった。そしてイランやテロリスト・グループのような危険な勢力は力をつけており、彼らが核兵器を入手することで、「われわれの生存」が危険にさらされていると警告した。
オバマは、モスクワと新たな(核削減)協定に署名し、アメリカの防衛戦略において核兵器の役割を小さくし、また地下核実験禁止条約(包括的核実験禁止条約のことだが、地下核実験禁止条約という言い方の方が正確だろう。)に参加し、核兵器の拡散を止めることを主眼とした国際的な仕組み、不拡散条約を強化することなどに深く関わることになった。(註9)< /p>
しかしながら、オバマは上記を約束する条件として、「これら核兵器が存在する限り、アメリカとその同盟国が攻撃されることを抑止するため、アメリカは安全で安定しかつ有効な核兵器保有を維持する。」と規定もしている。
1990年代の半ば頃から、アメリカはその保有する核兵器の安全性、安定性、有効性を確保する政策として「核貯蔵管理計画」(註10)を実施してきた。その計画の中で、コンピュータ・シミュレーション、先進技術を使った実験(要するに臨界前核実験である)、検査、監視、オーバーホールなどを行ってきた。現在推定2200発の戦略核弾頭が実戦配備され2500発の戦略核弾頭が準備保存されていると見られる。(註11)
一連の政府や独立研究グループの調査でアメリカの核兵器敞は信頼性があると認証されている。JASONs(註12)―独立系の諮問グループ―が提出した9月(09年)の報告によると� ��「現在の核弾頭の寿命は、自信をもって予測される損失なしに、あと20年は延長されうる。」とのことだ。
しかしながら、JASONsの報告では、核兵器に関する専門知識や技術、経験などが失われること、「核貯蔵管理計画」への不適切な支援などが懸念されるとし、カリフォルニアのローレンス・リバモア研究所(註13)をはじめとする、核兵器を在庫、オーバーホール、監視、保守管理しているその他の5つの施設、すなわち「核複合体」の近代化の必要性を指摘している。
国家核安全保障局(註14)―アメリカの核兵器敞を統括する非軍事行政担当局―は、古くて安全確保ができない、今使われていない施設を廃棄し、近代的で高度に安全性が確保された建物にその機能を統合する� ��とによって、「核複合体」の改造に着手しており、数十億ドルの計画を模索中である。
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